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経済ニュース
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● いまさら聴けない経済ニュースの勘所 8
池田龍也(正会員、TV局国際ニュースデスク) |
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アメリカ金融界の嵐
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◆ 「パラダイムシフトが起きている」
最近取材したエコノミストは、サブプライム・ローン問題に端を発した今回のアメリカの金融の世界の大混乱を評して、「金融の世界でパラダイムシフトが起きているようだ」、と話していました。
金融市場をリードしてきた、というか、自ら主流と胸を張っていた、新自由主義といわれる経済理論を後ろ盾にした市場重視派、「市場に任せる」派の突然の退場といえるのでしょう。アメリカの金融界がこれまでに作り上げてきたビジネスモデルへの信頼が、音を立てて崩れ去った、ということになるのでしょうか。
「カジノ経済の終焉」、「金融工学の破綻」、「投資銀行の没落」など、アメリカ金融ビジネスへの痛烈な批判は、さまざまな言い方で語られています。
◆ リスク管理の前提が崩れた
銀行には、大きく分けて二種類あり、投資銀行と商業銀行、英語にすれば、インベストメント・バンクとコマーシャル・バンク。
アメリカの金融界では、こつこつと預金を集めて地道に貸し出しをして、金利の鞘を取ることを主とする、いわゆる商業銀行よりも、最新の理論で金融工学を駆使し、高い運用益を稼ぎ出していた、投資銀行の方が、時代の脚光を浴びていました。
ところが、今回のアメリカの金融界の混乱は、そのアメリカの投資銀行が得意としていたはずのリスク管理が、いかに難しいことか、あるいは、結果的にまったく管理できていなかった実態を曝け出す結果になったといえます。
ある金融関係者は、土地・住宅が永遠に値上がりするという前提がおかしかったので、その前提を疑わずにいくら高度なリスク管理技術を駆使しても、前提が崩れてしまえばすべては何の意味もない、とコメントをしていました。
◆ どうなる「貯蓄から投資へ」?
日本でも「貯蓄から投資へ」といわれてきましたが、その流れもこれからどうなるのでしょうか。
例えば、富裕層向けに始まったラップ口座。SMAともいわれますが、ここ数年、参加できる上限の金額が下がってきて、流行のようになっていました。金融機関によって、500万円から、1000万円から、あるいは2000万円から、とプロに運用を任せられるというのが、売り物でした。
ところが、いまや、額面が半分以下に落ち込んだところもあるといいます。投資金額も大きいだけに、含み損もばかになりません。契約とはいえ、それでも運用手数料はしっかり取るのですから、「投資のプロ」を自認する人たちの運用がいかに心もとないものか、投資家は身にしみていることでしょう。
◆ 「長期運用」なら安心? 1万年目の亀
「『長期運用』なら、投資リスクも分散させることができ、時間を味方につけられるので安心」という説明も、あと何年待てば証明されるのか、誰にも判りません。
昔あるところで、露天商が祭りでペット用の亀を売っていたそうです。売り文句は、
「鶴は千年、亀は万年。長生きの縁起物だよ…」
ところが、客がその亀を買ったところ、翌日死んでしまった。
露天商は少しもあわてずに曰く、
「そうか。ちょうど1万年目に当たったってしまったようだ…」
投資家の人達は、その亀の1万年目に当たったような気分ではないでしょうか。
◆ 自己責任という鉄則は?
ある雑誌は、こう書いていました。
「金融自由化や市場開放を他国に声高に求めてきたアメリカが、いま場当たり的に泥縄的な金融機関の救済に血眼になっている矛盾…」
また別の英字紙は、
「米国型資本主義が大転換を迎えた週、規制とルールは最小限に抑え、失敗の責任はリスクをとった人間が負うのが米国市場原理主義の鉄則だった。自由経済の模範たる米国に対する信認は崩れた…」
きょう10月30日、日本時間の未明に、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会、米国中央銀行)が、政策金利をさらに引き下げるというニュースが入ってきました。関係者は言うのでしょう、
「我々はアメリカの金融機関を救っているのではない。世界を救おうとしているのだ」と。
(2008.10.30)
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