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くらしとお金の学校・ネット講義 
投資信託を考える――買う前に知っておきたい5つのポイント
                           
                    
がめ子(正会員・CFP、証券会社勤務)

どんな業界にも、その業界にいた人、もしくは携わった人にしかわからない情報というものがあります。
そのため、たとえば、食品に加工される添加剤や農薬などの薬剤による身体への影響、家電製品などからでる毒性物質の排出や電磁波がもたらす影響、建物の安全への配慮のなさなど、私たちが知らないでいることは、数え上げればきりがないでしょう。
今回とりあげたいのは、この、情報をもつかもたないかによる情報格差という問題です。

安さをもとめる消費者と、その会社で働く人々の生活を守るために企業が利益をださなければならないこととのあいだで、この種の情報格差が生じるのは、ある意味、仕方のないことなのかも知れません。
そして、事件が起き問題が浮き彫りにされて、初めて、私達はその実態を知ることになります。しかし、命にかかわることではない限り、問題はなかなか表面化されてこないものです。 

金融商品、どこまで理解しているか

金融商品についても同様のことが言えます。金融商品を販売する証券会社、銀行や郵便局も、そこで働く人たちと会社を守るために、利益を生み出すことが要求されます。

最近、投資信託を購入する人が増えています。証券会社や銀行・郵便局の販売員に薦められて投資信託を購入する人が多く、この投資信託の販売手数料が、現在、金融機関の大きな収入源となっています。
販売員はノルマを持ち、定期預金の満期などにあわせて、営業をしかけます。「金利の安い定期や普通預金に預けておくのはもったいないですよ」など、勧誘常套句で買わせてしまうわけです。

しかし、購入した人たちがこの投資信託という商品についてどこまで理解しているか、疑問です。
そこで、投資信託を買うまえに、まず知っておいてほしいことをあげてみましょう。
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ポイント1.投資信託の販売手数料は各社違う

化粧品がデパートではなく、ディスカウント薬局やインターネットで買えば安く買えるのと同じように、投資信託もどこで買うかによって、販売手数料に差があります。
インターネットで販売を展開する証券会社や銀行では、手数料をとらない投資信託に「ノーロードマーク」をつけて、販売手数料を無料にして販売しています。それなりに知名度があって、残高が多い投資信託は、ほとんど販売手数料が無料になっています。

しかし、金融機関の窓口などで買う場合は、ほとんど販売手数料がかかります。それは商品の説明をする営業員の給料や会社の利益を出すためです。
 
投資信託の販売手数料は、一般的に購入代金の3%前後ですから、100万円なら3万円、1000万円なら30万円を余分に支払うことになります。もちろん、その金額に見合うようなアフターケアや商品の説明をしてもらいたい、インターネットは面倒というように、理由があっての購入であるのならば対価の報酬として問題ありません。

ポイント2.薦められる投資信託が、よい投資信託とは限らない

銀行や郵便局にしても系列の会社の投資信託を優先するし、手数料の低い投資信託は薦めません。ほかの業界と同様で、利益を追求するのだから仕方ありません。金融商品も例外ではないということです。

では、どんな投資信託を選べばいいのか。
それは、その人の資産運用の考え方、年代、金額などによって変わってくるので、一概には言えません。自分自身で考えるのがもっとも望ましいことなのですが、アメリカなどのように投資信託の長い歴史がない日本では、投資信託の種類もまだまだ少なく、また、選ぶ際の明確な基準や方法論なども一般化されていません。
しいてあげれば、どこからもマージンを受け取っていない人(★1)の評価や、評価に偏りがなさそうな雑誌(★2)の特集などで探すという方法でしょうか。
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ポイント3.投資信託は長期保有にしてもメンテナンスが必要

投資信託の中にはとても値動きの激しいものがあります。定期的に保有している投資信託の成績を調べて、売ったり、買ったりをしてバランスをとっていく必要があります。
資産形成は長期保有がいいと言いますが、定期預金のように預けたまま放置したのでは、気づいたときに、元本割れをしてしまっていたというようなことがおこる可能性があります。放置せず、値動きをみて、頻度はすくなくても、売ったり、買ったりをする必要がでてくる場合もあるのです。

ポイント4.投資信託の基準価額下落のリスクは、買った人が全部かぶり、金融機関は損害を蒙らないようになっている

投資信託は、定期預金などのような元本保証ではありません。元本保証ではないから、リスクのある運用ができるのです。そして、そのリスクをとった結果、時に大きな配当をもたらし、また、反面、大きく下落することもあるわけです。下落幅が大きくなれば、投資した金額以下に大きく減ってしまうこともあります。金融機関は、販売手数料をとっていたとしても、それはあくまでも購入時の手数料であり、その後、その投資信託がたどる成績によって損害をうけるということはありません。

ポイント5.中国やインドへの投資信託はギャンブル性が高い

現在、中国やインドへの投資信託が非常に残高を伸ばしています。しかし、これらの国は、身の丈以上の過剰な評価をされていると言われています。日本の戦後と同じような成長を遂げるだろうと期待されていますが、まだまだインフラ整備が遅れており、貧しさが残っている国です。
必ず富をもたらすと約束されたものではなく、何かをきっかけに大きく暴落すれば、投資信託も大きな被害を受けることになります。新興国への投資は、ギャンブル性が非常に高い投資なのです。


以上、投資信託について、情報として「伝わらない」というか、金融機関が「あえて伝えようとしない」知識をあげてみました。
退職金を全額、投資信託にするような方は、非常にリスクの高い行為をしているのだとわかっているのかどうか、とても心配です。

金融機関はひどいなどと私は言いたいのではなく、保険業界にしろ、どんな業界にしろ、あえて言わない事情があることを知っておいてほしいということです。
その事情を知っているかどうかで、結果に甚大な差がでてしまうのに、現実には、これだけ情報が発達していても、業界が伝えたいことしか私達は知ることができません。
最近は、勇気ある人が本などで告発をしたりしていますが、そんなことでしか、知ることはできないのでしょうか。知るための努力をしなかったということなのか、知ることすらできなかったということなのか、どちらにしても、その代償には大きすぎるものがあります。
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くらかね通信 No.137 : 2008.02.12より改稿再録 
講義後のQ&A

問:
★1:そのような「人」をどうやって探し出したらいいのか、ヒントなど教えてください。
★2:そのような「雑誌」やWEBサイトで、薦められるものを1,2点、具体的に紹介してください。

    

答:
参考にできるものとしては、公平な基準で評価をしている方や雑誌などの中から、ご自分が参考にしたいと思うものを選んだらよろしいかと思います。
ただし、投資信託は、日々、動くものなので、たとえ、最優秀のファンド評価をもらったとしてもそのあとのパフォーマンスを約束するものではありません。
なので、初心者の方は、選ぶ際の基準として、販売手数料や信託報酬などのコストができるだけ低い投資信託を選んだ方が無難なのではないかと思います。

選ぶ際の参考にできる例をあげるとすれば、

1) 投資信託評価機関のサイトで、過去のパフォーマンスや運用方法などによる評価を星の数や、アルファベットの格付けなどで公開しています。

○主な評価機関リンク一覧(社団法人投資信託協会)
  http://www.toushin.or.jp/cgi-bin/framed.cgi?15

2) 評価の基準が明確に記載されている「週刊ダイヤモンド」や「週刊東洋経済」の投資信託特集などの記事

3) 投資信託の選び方について、投資家の視点でコラムや本を書いている方のセミナーに参加する。

例えば、ベストセラーになった『投資信託にだまされるな!』(竹川 美奈子著、ダイヤモンド社刊、 2007/04出版 ) などは、非常にわかりやすく書かれていました。

4) ただ、実際に、買うときには、本では情報が古くなっていきますので自分が参考にしたいと思う人ができたら、定期的にその人のセミナーやインターネット上で発信するコラムなどを読むとよいでしょう。

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    Fax:048-689-9812
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