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生涯学習支援事業
● FPエッセー傑作選(その7)
とんだ勘違い!
木下利信(正会員・FP暮らしのコツ代表)
「ゆめクラブ」という名前を聞いたことがありますか? 私は今年に入るまで知りませんでした。

独立系FPとして個人事業をスタートした時、「地域活動との接点を深める」ことを一つの目標にしました。正月明けの我が家の郵便受けに一枚のチラシが入っていました。「○○町ゆめクラブ・新春の集い」へのお誘いです。チラシには同じ団地住民の市議会議員の名前が発起人として大きく書かれていました。この市議会議員は数十年来の顔見知りです。これを期に市議の後援会メンバーとして登録する心積もりで新春の集いに参加しました。

2月のとある日曜日の夜、団地の集会所で行われたその集いに勇んで出かけました。地域のメンバーとの初顔合わせ、公園デビューのような気分です。受付で会費を払い中に入ると、約40席ある椅子はほぼ満席。とりあえず空席を見つけテーブルにつく。私が座ったテーブルは女性六名で男性は私だけ、しかしその後二名の男性が加わり、ようやくほっとする。

市議の挨拶を契機にいよいよ集いスタートです。来賓の顔ぶれは豪華、市長や地元を地盤とする有名な衆議院議員、県会議員の挨拶までありました。皆さん場所をわきまえ要領良い話で聞いていて面白い。

待ちに待った乾杯、それを契機に各テーブルで一斉に話がはずむ。私も必死に女性陣に口を挟むがこれはやはり無駄な抵抗だった。隣のテーブルの男性からお声が掛かる、良く知った顔が二人ばかり、嬉しい、これだけで参加したかいがあるというものだ。

色々な企画が用意されていた、団地住民の生フルート演奏をバックに合唱が始まった。参加者の元気な歌声と共に一升瓶が次々と開けられていく。そしていよいよクライマックスの抽選会。お開きとなるまで、あっという間の時間。

数週間後、市議さんと団地内でばったり出会い、“後援会“の集いは大変楽しかったことを伝えたところ、市議から、「木下さん、あれは私の後援会の集いではありませんよ」と、意外な言葉。そうなのです、「ゆめクラブ」というのは老人会のことだったのです。以前は「若葉会」という名前だったのですが、神奈川県の老人クラブ連合会では傘下各市町村の老人会名称を一斉に「ゆめクラブ」へ統一、変更したのです。知らなかったぁ〜! どうりでメンバー資格にはまだ数年を残している私に妙に優しくしてくれた訳だ。

やはりネーミングは第三者にも分かり易いことが一番であることを思いがけず体験した。ファイナンシャルプランナーという言葉も一般の人にはどのように理解されているのだろうか、FPの仲間内だけで通用する言葉ではないのか? 集いの夜の寒さが背筋を通り抜けるような気分を一瞬感じた市議との会話となった。

(2006.4.27)





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