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2,3年前、香港に単身赴任している夫のもとを何度か訪れたときのことです。
日曜日の公園に、それこそ何千という単位の若い女性が集まって、話をしたり食事をしたりする姿に出くわしました。不思議に思って少し調べてみると、彼女たちは「アマ」さんと呼ばれる人たちであるとわかりました。
香港は働く女性が多いため、共働き家庭で子供や家事の面倒を見てもらうために、近隣諸国、特にフィリピンから若い女性の「アマ」さんと呼ばれる彼女たちを雇うのです。
住み込みの彼女たちに与えられるのは、ベッドとシャワーつきトイレが一緒の2畳ほどの狭い部屋で、エアコンもなく、毎日、朝から深夜まで一生懸命働いて、お給料のほとんどを自分の故郷にいる家族に仕送りしているのです。
一部の香港人の「アマ」さんの働かせ方のひどさには、涙なくしては聞けない色々な話が少なくありません。日曜日になると、大きな公園にはそうした出稼ぎ「アマ」さんたちが、朝からお弁当やお菓子を持って集まり、自分と同じ村の人たちと日がな一日、食べたり、おしゃべりをしたり、踊ったりのささやかな休日を楽しむのです。公園が見渡す限り数千人の彼女らに埋め尽くされ、カン高い声が響き渡る光景は壮観といえます。
香港の女性の社会進出は日本の比ではありません。多分、「専業主婦」という言葉は死語になっているのではないでしょうか。
このような光景をみていて、私は、これからの日本も、香港のこのような状況に近づいていくしかないのではないか、近づいていくのがよいのではないか、と考えるようになりました。
日本社会の高齢化スピードは世界一といわれており、それにより生産年齢人口(15〜64歳)比率が急激に減少、日本の年金制度をはじめとする社会保障制度の根幹を揺るがす事態になっていることは周知のとおりです。
減少する働き手の代わりに、定年延長のみで対処できないため、女性の活用が考えられていますが、そのとき考えられるのが、香港のような家事や育児、介護のほとんどを外国人労働者に頼る形式です。
今の日本の制度では外国人労働者を受け入れることをまだ制限しています。抵抗感をおぼえるひともいるでしょう。しかし、徐々に開放し、外国人の看護士、介護士さん等を受け入れることで、日本の女性が働くチャンスを得られ、日本のGDPも限界的に増加し、外国人労働者もハッピーという、ウィンウィンの関係を成り立たせることは可能だろうと思うのです。もちろん、外国人労働者たちの受け入れ体制について、日本社会の側は十分な配慮をはらわねばならないですが。
フィリピンの「アマ」さんたちが毎週日曜日に送金専門の銀行に行列を作っています。両親を養い、弟や妹を大学に進学させるためです。談笑しながら送金している姿に、その背景の厳しい労働の実態を考えると感動を禁じえませんでした。
彼女たちが送金の時だけでなく笑顔で働けるような「ウィンウィンの関係」ができないものか、といま思い出しながら考えています。
(注):アマ : Domestic Helper = 家政婦
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